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気楽で満足げだけど、どこか寂しそうな暮らし

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今日も主は寝坊しているようだが、
いつもよりは30分ほど早く起きてきた。

我が輩はいくら鳴いても起きてこないことを学習したので、
昨日の残りのエサなどと突きながら、
主が起きてくるのをゆっくりと待つこととする。

それにしても最近、すっかり朝の冷え込みも和らいできた。
桜もとうに散ったらしいし、いよいよ春本番の訪れである。
冬生まれの我が輩としてはとても嬉しい。

そうこうしている家に主が起きてきた。
日課の掃除をしてくれるので、大変ありがたい。

エサも交換してくれた。毎日同じものだが
新しく出されたものは味が格別に美味いような気がするから不思議だ。

だが、このペレットだけは今も好きになれない。
いちおう突いてみるが、なんとも言えぬ動物臭さがあり、嘴が進まないのである。

腹一杯になったところで主を呼ぶ。
主は相変わらず机に腰掛けて、何やら難しそうな顔をしながらパソコンを叩いている。
あまり根を詰めて作業するのも体に良くないので、ケージから出せと仕切りにアピールする。


最近は足下の網に向かって止まり木から飛び降りるのがマイブームである。
これをすると大きな音がして、とても愉快なのだ。

おまけに何度も繰り返しているうちに根負けした主が
我が輩をケージから出してくれるときもあるから、一石二鳥である。

主は我が輩の足を気にしているようだが、
ちゃんと加減をして飛んでおるから心配無用だ。我が輩はそこまで馬鹿ではない。

ただ、ここのところ主はずっと家にいて外に出ている様子がない。
人間稼業がどんなものか知らないが、我々文鳥稼業よりもよっぽど気楽そうに見える。

なのに時折パソコンに向かって難しい顔をしているからよく分からない。
何が不満なのか。疲れるなら休めばよいのに。
なんなら我が輩をつれてどこかへ遊びに行くのも良かろう。

主の様子を眺めていてもたいくつになってきた。
また呼びつけても良いが、一日に何度も呼んではさすがに申し訳ない。
我が輩だって、それくらいの配慮はわきまえておる。ただ退屈だ。

そんな時、我が輩はケージに設置してくれた鏡の前に止まることとする。
この鏡もなかなか愉快で、鏡の前にはオモチャやエサ入れまで備え付けられている。
鏡に映る我が輩を見ながらオモチャを突いていると、ストレス解消にもなり夢中になってしまう。

ただ、鏡に映る我が輩の姿だけでは、何とも飽きてきた。
当然である、結局我が輩の動きと声をマネるだけなのであるから。
そんな時は仲間の文鳥がいたら楽しかろうと考えてしまう。

我が輩だって生まれた時は周りにも兄弟がいて、それはそれは賑やかだった。
ペットショップに移されてからも、いつもどこかから、鳥君たちの鳴き声が響き渡っていた。

ところが今は静かな家で我が輩と主でのんびり暮らしている。
主はテレビを見ないし音楽も聴かないので、本当に静かである。
それはとてもありがたいのであるが、どこか、何だか、寂しくなるときもある。

今の気楽な生活も良いが、
やはり他の文鳥との生活が本来の我が輩の暮らし方なのではないだろうか。

そんなことをモヤモヤと考えてしまうが、我が輩ではどうしようもないので、
とりあえず美味いエサを食べて、また主を呼びつけて構ってもらうこととする。

主も我が輩と同じで一人で、気楽で満足げだけど、どこか寂しそうに暮らしている。
主と二人の生活も楽しいが、我が輩は主とは違うので、
やはり運命の文鳥仲間と仲良く暮らすのも良いのではないかと思ってしまう。

うまく伝わるか分からないが、今度、主に仲間をねだってやろう。
我が輩は配慮のできる文鳥だから、新しい仲間ともきっと上手くやれる自信がある。

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